随筆「薄夜」
人類の価値
ロシアはまだやっている。どこで終わらそうかと考えて始めたのではない。適当にやれば相手は降伏するだろうと武力侵攻したらしいがこれも勘違いである。終戦の協議など成立するわけもない。
当初からいろいろ言っているが、両国、そのたの世界からの言葉は戦場にとどかない。敵に背をむけ逃げたほうが負けなのだが、ウクライナにはその気がないようにみえる。
いま、ロシア大統領の演説がはじまる。聞いてみよう。
米国の悪口を言っている。ここの間接的軍事力があり祖国を守っているとやっている。これなら越境攻撃もあるだろう。
その他の事は飾りのようなものである。
米国の兵隊はいないがウクライナの軍事力は支援により強化されてきた。こう言いたいらしい。親ロ派というのがこれにやられていた。だから、ロシアの正規軍を入れた。ついでにウクライナの政権も倒そうとした。こんなものだろう。
核については西側が脅威を宣伝しているだけだ、と、多くは語らない。さすがにこんな席では核戦争の用意をしているとは言えないようだ。また、そんなのもやるぞとは言えない。
全体的に歯切れのわるい演説であった。やるにはやったがどうにもならんというところだろう。そうなると、これは危険である。
これからは気の狂う事態をおそれる。気の済むような勝利はなく、負けて逃げるわけにもいかず、この軍事進攻は終わりのないものになる。仲裁するにもロシアの事情がそれを許さない。この国より格下の国家には入り込む余地などない。またウクライナに相手のメンツをたてる終戦などする気もない。
始めるのは簡単なようだったが、これを終わらせる仲裁国家がどうもいない。ロシアが決着をつけるために戦術核を使う前に終わらせないと気の狂う事態になる。
しかし、これくらいのことを治めなければ人類というものに価値はない。