大事にされなかった生き方、大切に守られる女

世間のどこにでもある女の人生、泣き笑いしながらのそれを書く

随筆、詩を書こうと思います。
大事にされなかった人生、大切に守られているいまの人生、明日はわからないけれど、それを書くこの作品は残そうと思います。

随筆「薄夜」

            別離(その三)
病院に運ばれ血流を良くするためか点滴をやっているとき待合をぶらぶらした。見るとそこの看板は胃腸科となっていた。1時間たち院長に会った。
「ここでは、ついでに診ています」
「おい、このドン百姓村にまともな病院はあるか」
総合病院への紹介状を書かせた。
ここで癲癇の専門医とも話した。
「五十すぎての癲癇は考えられません」
「そうか」
これで終わった。


帯広での妻の暮らしは地獄のようなものだった。肉親や他人もこのやっかいな物をだれも相手にしない。歩行もできないのに、それでも心が完全に破壊されずに生きていたのを、その原因となる妻の恩人、これを見つけて礼が言いたかった。
飼い猫サクラはすぐ発見した。私とすぐ仲良くしてくれた。
「おい、ありがとうな」
頭をなでた。
老婦人、この人と特別、妻は仲良かった。初めてアパートを訪ねたときもいらした。その人にも命の何分の一かは助けられただろう。ヘルパーのご婦人たちとも会った。
「いつも眠ってばかりなんですよ]
「そうでしょうねえ」
「なんべんも救急車呼びました」
「ありがとう」
説明なくとも理解できた。婚前のメールやり取りでそれができていた。


命を救ってくれた猫や人たち、みんなありがとう、美しい妻は東京に連れていくが大切にしますと帯広に頭を下げた。
そして、サクラだけが東京に来てくれた。

×

非ログインユーザーとして返信する